FXと外為と手形裏書
その頃、月の女神の祭りで巫女の踊りを舞うアリサは、自分に送られてくる禍禍しい絡みつくような視線を感じ取っていた。その先を追うと、ヨットパーカーのフードを目深に被り傍らの椰子の木に腕組みをしている1人の男が居た。 周囲の心配をよそに、死鬼の手は既にアリサに伸びようとしていた… [編集] 登場人物 本作の登場人物の多くは前作「YASHA-夜叉-」の登場キャラクターの後の姿である。過去の詳細な経歴はそちらを参照のこと。 アリサ・クロサキ 本作の主人公。18歳。周りからは「マウナ・ティファナ(ティファナ山)の聖なる龍の娘」と呼ばれ、容姿端麗、気品に加え、大の男にも負けない腕っ節の強さも備えた美少女。顔は母に似て美人で気が強いところもそっくりだが、巨乳だけは遺伝しなかったらしい。本人は知らされていないが、実は新人類(ネオ・ジーニス)である有末静がルー・メイとの間に残した一人娘で、静の持っていた能力を引き継いだ為に新たな事件に巻き込まれる。 外為 そのDNAの成せる技か、かつての静と凜のように、テレパシーに似た意識共有が可能であり、感覚までも共鳴する。そのことによって静の意識がある限りは、必要な応じて静が憑依しアリサを操ることができる。しかしベースとなるアリサの体力が持つ間に限られる為、長時間その状態を維持できるわけではない。シンやメイヨー、三上常務は、静と同じDNAを持つ死鬼に勝つ唯一の切り札として、静に反対されるのを承知でアリサの保護に出ていた。 FX いきなり訪ねてきた烈に対して最初は警戒心を持っていたが、いきなりプロポーズしたり、弟と同い年ながら若くして己の行く道をしっかり理解して行動する烈に、次第に警戒心を解き共感を覚えるようになる。しかし実の父である静の包むような温かみと接触してからは、自らの怨敵であるにもかかわらず同じ顔を持つ死鬼にその面影を求めてしまい、心ならずも惹かれてしまう。そのジレンマを抱えて戦っていることをアリサに惚れている烈だけは痛いほどよく理解していた。 ハワイアン・ネームはカフアイラナ・マリエ(「水のような静けさ」という意味)。 烈(リエ、レツ) 外国為替 中国経済界を取り仕切る若き帝王、シン・スウ・リンの一人息子。16歳。幼い時から帝王学の英才教育を受けているため、若輩ながら自分がどうあるべきかをよく理解している。特に頭の回転は相当良い様で、状況をすぐさま判断し、年上の小英らを相手にして的確に次の一手を指示をする。これには父親のシンでさえ思わず心の中で舌を巻くほど。身内以外の目上に対しても、非常に礼儀正しく、シェンは初対面にもかかわらず「公子」として頭を下げた。 日本人の母は、烈のことを「リエ」と中国語読みで呼ぶが、父は時々日本語読みの「レツ」で呼ぶ。母が日本人であることで本国のお歴々からは後継者としての資質を危ぶまれているが、ルー・メイは初対面にして「生まれながらにして王子様」とその育ちの良さと器の大きさを高く評価した。 FX 取引 生まれた時に風水師から「この子は龍の血を受け継ぐ娘を妻に娶るだろう」という神託を受けていて、それ故「龍の娘」と呼ばれるアリサには最初から特別な興味を持っていたが、実際に会い「こんな綺麗な子は見たこと無い」と一目惚れ。その後共に行動するうちにアリサへの真の愛に目覚めて、過酷な運命と戦うアリサを己の命をかけて懸命に守ろうとする。 いつも糸のように伸びるワイヤー状の武器を携帯している。背が少し低いが、これは父親の遺伝らしい(?) 有末静とは父に連れられて幼少の頃にニ、三度会っているらしく、既に面識があった。静の落ち着いた佇まいは烈にとって男としての憧れの対象となっている。 ケン・クロサキ アリサの育ての父。元アメリカ陸軍グリーンベレー出身。当時は中尉。その後ネオジェネシス社の保安要員を経て日本で起こった奥神島事件に、かつて面倒を見て実の弟のように可愛がっていた有末静の私的傭兵として呼ばれ活躍。事件解決後に引退し、ルー・メイと結婚。その時代に得た莫大な資金を元にハワイ島にあった父のコーヒー農園を買い戻し、現在は家族と共に暮らしている。家族のことを何より大事にし、このまま静かに暮らしたいと思っていたが、彼もまた新たな陰謀の渦に巻き込まれる。 アリサが静の娘であることを予め知っており、出自ゆえ世間から身を隠さなければならなかった静の代わりに、アリサを自分の娘として育てることを固く決意している。それ故か娘を溺愛していて、以前ストーカーをした男を素手でICU送りにしたらしい。 実は子供の頃のアリサが己の能力に目覚め始めたことを知ってから、いざという時に自分で身を守る為(またアリサが誤って他人に怪我をさせるのを防ぐ為)アリサとシンジに護身術を教えていた。 ルー・メイ・クロサキ アリサの母。元は各国を渡り歩く腕利きの賞金稼ぎ。カンボジアの米軍軍事訓練に体術教官として赴任した際にケンと出会い、その後奥神島事件で傭兵としてケンに呼ばれて再会。事件解決後に結婚し、ハワイにて2児を設ける。それなりに老いた風情の夫とは逆にいまだに若き頃の美貌とプロポーションを変わらず保ち続ける妙齢の巨乳婦人。しかし外目に騙されるととんでもなく痛い目にあう、ハイパー母ちゃんである。 ケンを愛しつつ、ただ一夜の契りで静との子を妊娠したことを知り、奥神島事件後に一人で何処かへ去ろうとするが、全てを知ってなお自分のそばにいるために追ってきたケンの気持ちに応え身を委ねた。己の過去の過ちで生まれたアリサには、いつか本当の事実を告げなければならない時が来ると知りつつ、その事で苦悩している夫を自らの愛で支えようとする健気さをみせる。ケンが家族と普通に暮らそうと思うあまりに戦士としてのカンを鈍らせていることに気付いていて、「死鬼」の影を前に不安を募らせる。 シンジ・クロサキ アリサの弟。16歳。姉のアリサと違い、こちらは正真正銘ケンとルー・メイの息子。年齢にしてはガタイもよく、それ故になんでも力ずくで物事を解決しようとするが、猪突猛進で単細胞ゆえ失敗も多い。母には頭が上がらないらしく、一喝されると素直に言う事を聞く。 稀に見る美人の姉を持つためか、少々シスコン気味。姉を訪ねてきた烈にあからさまに噛み付き、烈からは「でかい仔犬(対してケンは「でかくて恐い親犬」)」と揶揄される。立場的に叔父のシェンに似ていたことから、性格までそっくりになってしまったのだろう。幼馴染のリリアから惚れられていて、アリサもそれとなくけしかけているのだが、本人は全くその事に気がついていないほど極度の鈍感で朴念仁(これもシスコンゆえか?)。姉の出生に秘密があることは両親の会話を偶然盗み聞いたことで気付いていた。 姉を守る立場として沖縄で一緒に行動するうちに、同い年の烈を徐々に信頼していく。しかし日々の鍛錬をサボっていたことで、両親が腕利きの戦士という出自にもかかわらず、殆ど戦力になっていない。 シン・スウ・リン FX 全世界の華僑を束ねた「龍の道(ドラゴンロード)」に君臨する総帥にして中国財閥界を支える若きリーダー。周囲からは畏怖を込めて「風の龍(フォンロン)」と呼ばれ、その影響力は国家主席でさえ無視できないと言われる。それだけに政敵は多く、常に命を狙われる存在でもある。烈は10歳年下の日本人妻との間に生まれた一人息子。世界的にもかなりのVIPなはずだが、その性癖から自由気ままに行動することが多く、必要あらば危険な場所に自らふらりと現れる奔放さを持つ。かなりの恐妻家で美人の奥さんにだけは頭が上がらないらしい。 外為 クロサキ家とは己の出自ゆえ無用な危険に巻き込まないために距離をおいてきたが、自分と凜(=静)のシステムがハッキングされたことを知り、急遽メッセンジャーとして息子の烈をクロサキ家へと送った。しかし事態が予想以上に早く進行していることが発覚し、自ら動き出す。 FX シンはアメリカ資本に頼らないアジア独自のITネットワーク構想「ドラゴンバレー構想」を打ち出し、世界から注目を浴びている。これが成功すれば中国の初代大統領になるだろうと目されてるが、巨大な中国市場をみすみす逃すこの構想に対しアメリカ側の反発感は強く、それ故シンは闇の組織の最重要ターゲットとなっている。 アリサの為に死鬼と戦うことを決意した烈の気持ちを理解し、自分の右腕である小英に後を託し、自らは赤蠍壊滅へ動き出す為、滞在先の沖縄を離れた。奥神島事件後も日本を訪れた際は度々静に逢っていたようで、烈も一緒に引き合わされている。 「BANANA FISH」、「YASHA-夜叉-」と本作を繋ぐキャラクター。3作読むとシンの辿った生い立ちが全てわかるようになっている。今作では渋いダンディーとして息子たちを陰ながら支援する。 曹 小英(ツァオ・シャオイエン) シンの秘書兼ボディーガード。曹家四兄弟の長兄。烈のサポート役として一緒にハワイに赴き、面識のあったルー・メイと18年振りに再会する。元より若作りなため今でも老けた様子は無く、丸い眼鏡に口ひげがとてもチャーミング。仕事の為に沖縄を離れるシンから烈の護衛と死鬼と赤蠍の討伐の全権を依頼されるなど、普段から家族同様の信頼を得ている。 中国拳法の達人で虎狼拳を使う。虎狼拳の開祖・竜海王師から後継指名を受けている程の腕前で現在は師範。アリサに請われて虎狼拳の手ほどきをするが、少し見ただけで自分と同じ動きが出来たアリサに、かつて静を指導した時のことを思い出す。